1.事案の概要
企業様であるご依頼者様は、取引先であった会社Aに対し、婦人用の靴や鞄などを継続的に販売していたところ、徐々に支払いが滞るようになり、最終的に未収金の額が150万円にも上ったことから、取引を停止するに至りました。
ご依頼者様から会社Aに対し、何度も未収金の支払いを催促しましたが、一向に支払われる気配はありませんでした。
2.方針
ご依頼者様のお話をお伺いする限り、会社Aの資力に不安が大きかったことから、早期に回収するべく、内容証明郵便を送付する方法により交渉を行うことにしました。
3.結果
内容証明郵便が到着してから数日後、会社Aの代表者から連絡があったため、早急に面談を行い、会社Aの経営に関する資料を拝見しながら詳細にお話をお伺いしたところ、会社Aの経営状況は予想以上に芳しくありませんでした。
そのため、ご依頼者様とも検討したうえで、当方から、100万円を計3回の分割で支払ってもらい、もし約定通りに支払いがなされたときは残額を免除するという内容での和解案を提示し、細かな条件のすり合わせを行ったうえで最終的に合意書を取り交わしました。
その後、約定通りの支払いがなされ、売掛金の一部を回収するに至りました。
4.コメント
本ケースは、売掛金の全額の回収は諦め、できる限り早期に一部のみでも回収しておいた方がいいと判断したケースでした。
もちろん、債権全額の回収を諦めることには慎重になるべきです。しかし、相手方の資力・経営状況次第では、場合によっては1円も回収できないという最悪の事態にもなりかねません。そのようなときには、たとえ債権額の一部であっても、できる限り早期に回収を図ることも十分検討に値すると考えられます。
債権回収のことでお悩みの方は、是非弁護士にご相談ください。